染谷 知宏

製造課 大中型Gリーダー 1995年入社

茨城県出身 石下高校卒

自動車のエキゾーストパイプの曲げと溶接のベテラン。10名の部署のリーダー。 二人は、ゴルフや若手のイベントなどでも交流が深い。

宿岩 朝宏

建機第2事業部長 兼

生産技術部長 1999年入社

埼玉県出身 中央大学卒

設備保全やライン改善などを担当。工場作業が終わってから徹夜で機械を修理するなど、 抜群のバイタリティと体力の持ち主。

染谷 知宏の想い…

若い人たちが成長してくれる。

安堵と共に新たな挑戦の意欲に燃える

中空二重管のラインを立ち上げた染谷と宿岩の二人は、それぞれのセクションで、さらに奮闘が続いている。 今の課題は目標管理。第一に製品の品質、効率の良い作業の実現だという染谷。 「生産の安定までのプロセスをもっと確実にしていくこと……それは各メンバー間の温度差のギャップを埋めること」だという。 「大きな声で言えませんが、お金随分使いましたね(笑)」若い人たちのモチベーションを上げ、 バランスよく育てていくことも染谷の重要な仕事。それぞれのメンバーが、ローテーションにより徐々に全ての工程を、 今は担えるまでになった。モチベーションは高い。和らいだ気骨な風貌に自信と勇気を感じる。

中空立ち上げのプロジェクトストーリー@

”意地と強さとのコラボレーション”

いろいろな形状の、微妙に違うものを同時に試作してきた。「実際許容範囲があるので、製品としては問題ないものでも… 気持ちが悪いんですね、担当者としては」…「技術者というのはいつでもアイデアと技術を結合させ最良の製品を つくりあげることを追求するものですから」と染谷は語る。

「宿岩さんが持ってくる設計図は、確かに理想に近いものが来る、理解も出来る」が、何度やってもなかなか上手くいかなかった。 今度こそはとシミュレーションを重ね悪戦苦闘していたそんなある日、新幹線の車中から染谷に電話が入った。宿岩からだった。

「メーカーからの依頼で、明日までにどうしてもパイプを一本、用意しなくてはならなくなったので、頼む」 と言って電話を切ったという。 その後すぐさま取り掛かったが、どうにも上手くいかない。 思い余って「明日の納品予定を変えられないか」と電話で頼むと。…「是が非でも何とかしろ!」と一喝。

その時は「くそ!意地でもやってやる」と思ったと染谷は語る。その時点で既に夜の8時過ぎ。 「宿岩さんが会社に戻り、何も無かったかのように一緒に黙々と取り組んでいました」終わったのは夜中の2時。 「こいつのお陰で、やれたじゃないか!」強かな宿岩のペースにはまったと染谷は思ったという。 だが、「なぜか爽やかな達成感が身体全身を駆け抜けた」となんとも嬉しそうに染谷も語っていた。

宿岩 朝宏の想い…

自分の生涯の仕事。

生涯の友との挑戦は、始ったばかり。

まだまだ自動化されている面と手作業のところとが混在している。これからは、その点を整備していく仕事に着手していきたいという。 「技術のスキル向上、経験豊富な技術者の方のノウハウを“見える化”すること……計画はもう一歩のところまできています」 と自信を覗かせる。

やれる!という実感がある。そう、中空を共に立ち上げた頼れる友、染谷がいるから、中空の生産ラインから着手していきたいという。 「中空はまだまだ開発の途中段階、もっと自動化への取り組みが必要。もしかすると終わりのない取り組みになるかも… 自分の生涯の仕事になるかも…」と宿岩は、なぜか嬉そうな笑みを浮かべ語ってくれた。

中空立ち上げのプロジェクトストーリーA

”極限までの追求が阿吽の呼吸を生んだ”

「染谷さんには、迷惑かけっぱなしでした」《染谷:運命共同体ですから(笑)》厳しいスケジュールの中でのやり取りは、 激論のときも多々あったという。

どういうパイプを作るのか、どう曲げていくか、曲げの順番は、切断や溶接についても検討していく…二重構造なので、 バランスの取れた曲げを実現させるために、ありとあらゆる技術を試した。関連事例を探し出し、テストを重ねていく地道な活動。 膨大な曲げのパターンの検討そして検証、それに合わせての機械の調整など…。

とにかくなんとしても試作を早く仕上げ、検証できる体制にもって行きたい。お互い眠る間も惜しんで没頭した。 何時しかお互いに強い信頼関係が築かれていたという。

「完成間近の頃には、考えていることがお互いに分かるようにもなってこれが阿吽の呼吸というものか、なんてお互い感心したほどです」と語る。

「未知への挑戦、それをどうブレークスルーしていくかは、共に取り組む相方、染谷さんが鍵だった… 身をもってそれを経験できたからこそ、今の自分がある」と考え深げに語る宿岩の顔には、 偉業を成し遂げた達成感というより、染谷に対する尊敬の念が感じられた。